村役場が提示した「注意書」

1998年06月02日、グリンデルワルト村役場は、
客引きを行なっている土産物店(時計店)に対し、下記の「注意書」を送りました。

よって、ここに、
グリンデルワルト村内における公共の場所(施設)での
「客引き行為」は、正式に「犯罪行為」であり、
これに違反する者は、罰則が課せられる
ことになりました。
しかし、2004年02月01日現在でも、この土産物店(時計店)は、
登山電車がグリンデルワルト駅に到着する時刻になると、
日本人の男(女)性店員を駅に向かわせ、団体客などに声をかけています。
このルール違反の土産物店(時計店)に対し、
一刻も早くグリンデルワルト駅を中心とする公共施設での
「客引き行為」を中止する
よう求めます。

グリンデルワルト村役場が提示した「注意書」(原本)
(訳文は、下部にあります)
クリックすると拡大図になります。
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「注意書」の訳文
***
グリンデルワルト村役場                                             
3818 グリンデルワルト

1998年06月02日

                                               SHOP”C"(注1)

(コピー)

グリンデルワルトでの客引きについて

(SHOP”C”の)経営代表者様
関係者各位

先日から我々は、貴殿および貴店の従業員により行なわれている営業行為が、非常に良くない印象を与えているということを
突き止めました。
強引な勧誘、特に日本人観光客を貴店に誘導する客引きなど、様々な事例が挙げられています。
特に、駅やホテル、また「SHOP”H”」(注2)周辺では、旅行者やツアーコンダクター(添乗員)が定期的に、貴店の従業員に
店に寄るよう執拗にせがまれています。
このようなやり方は、様々な理由により許すことができず、罰せられるべきであります。

貴殿は、経営目的の為に公共の場所を営業活動の場所にしていますが、これらは本来の目的から逸脱しています。
本来、そのような行為には認可を取得する義務があり、しかもそれが公表されなければなりません。
けれども、今回の場合では、その

認可は、決して下りることはありません。
しかし、何よりも重要なのは、

貴店の強引な営業行為が「不正競争に関するスイス国連邦法(UWG)」に違反しているという
事実です。

「UWG第3条h」では、特に不正に「執拗な営業活動により客の自由裁量権を侵害する」者が対象となっています。
この内容が当てはまることは、すでに明らかにされています。
観光客が電車や車などを降りる時、店に一緒に来るよう執拗にせがむというような方法で。
つまり、彼らの自由裁量権を奪っている訳です。
これは、ツアーコンダクター(添乗員)が自分の引率する団体客を店に連れて行くことで、同様の影響を与える場合も同等と
みなされます。
すでに、路上で声を掛けることは不正な行為であると説明されています。
(マリオ M.ペドラッチーニ、不正競争 UWG,S146ページ以下)

「UWG第23条」によると、故意、またはその他で
「UWG第3条」に違反した者は、申し立てにより軽懲役、または100,000
スイスフラン以下の罰金の刑に処せられます。
不正競争に関するスイス国連邦法の刑の執行は、ベルン州の地方自治体に権限があります。
これに関し、いずれの強引な勧誘や活動も、前述の意向により即刻中止するよう要求します。

貴店は、違法なだけでなく、グリンデルワルトの景観を破壊しているのです。
素晴らしい景観を守るということに、本来関心が向けられなくてはならなかったのです。


この弊害が、即刻除かれない場合は、我々は必要な措置を講じることを躊躇しません。
                                                     グリンデルワルト村議会代表

                                                     村長          書記長
                                                     G.ボーレン      F.ローナー

コピー(宛先) :

− KIGA (外人労働局)/ベルン
− グリンデルワルト村警察署長
− DC グリンデルワルト村警察署
− グリンデルワルト観光局長
− ユングフラウ鉄道本社/インターラーケン
− グリンデルワルト商工業組合長
− グリンデルワルトホテル組合長



(注1) : あえて実名は、ここでは伏せました。
(注2) : SHOP”C”の、姉妹店です。
       この店名が、他の地区にある有名な名前(固有名詞)を勝手に使用したとして、
       その地区より訴えられ、その地区に対して罰金を支払い、店名を変えた事件が
       ありました。(現在では、似たような違う名前になっていますが)

ご覧のように、グリンデルワルト村では、現在
村内での「客引き行為」は犯罪であり、処罰の対象となっています。
もし、グリンデルワルト村内において、
「客引き行為」の勧誘や営業行為を受けた方、
それらしき内容の行動を見られた方は、

是非とも弊社「グリンデルワルト日本語観光案内所」まで、ご連絡をお願い致します。
弊社がこの運動を行なうのは、
グリンデルワルト村を愛し、アルプスの景観を、
今まで同様に大切に守りたいという、「それだけの気持ち」からです。
***

スイス・グリンデルワルト日本語観光案内所(JIB)
所長 : 安東 一郎


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