スタッフからの「ひとこと」

お知らせ
この「スタッフからのひとこと」の
内容は、2002年05月当時の内容ですので、
今現在とは異なる内容もあります。
あらかじめ、ご承知置きください。

弊社「グリンデルワルト日本語観光案内所」スタッフからの、
「ひとこと」 メッセージです
 グリンデルワルトから眺められる明峰「アイガー」は、とりわけ北壁登山で有名な
山です。
標高は3970mとスイスの中でもさほど高い山ではありませんが、高度差1800m、
平均斜度60度という北壁は、ほとんど垂直のようにも見える迫力です。
初挑戦から4年、その間に北壁挑戦者の痛ましい死亡事故もありましたが、1938年
にドイツ人、オーストリア人の4人グループによってアイガー北壁は初登頂されました。
この時には5日かかって登頂されたのですが、1983年に4時間50分という北壁
通常ルートのスピード記録が作られました。

 1969年の夏、6名の日本人グループがアイガー北壁の直登ルートに挑戦しま
した。アイガー北壁には傾斜が90度以上の場所が300m近く続くところがある
そうですが、そのようなところはハーケンを打つところもなく、キリのようなもの
をハンマーでたたいて1cmほどの穴を約30分かけて岩に開けながら登りつづけた
ため、その間は1日に30〜40mしかザイルを延ばすことが出来なかったそう
です。ただ、傾斜が急な所を登ることにより落石の危険を避け、その当時死亡率の
かなり高かったアイガー北壁を約1ヶ月かけて6名が全員無事登頂を果たしました。
このルートはユングフラウ鉄道のパンフレットや絵葉書などで1969年の日本人
直登ルートとして見ることが出来ます。
 1999年にアイガー北壁登頂ライブが放送されました。
これは北壁初登頂時のルートに4名の登山家が挑んだ様子を生中継したものです。
北壁の雄大さに対して、米粒ほどにも見えない人間はなんてちっぽけなんだろうと
感じました。
4名が無事登頂を果たした瞬間、とても感動したことを覚えています。
多くの登山者が挑んだ山、アイガー。
見る方角によって形を変えるその姿は、堂々としています。

ぜひ多くのドラマが生まれた山、アイガーを皆様に見に来ていただきたいと思って
います。

皆様のお越しをお待ちしております。

グリンデルワルト日本語観光案内所
渡邉 法子

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