スタッフからの「ひとこと」

お知らせ
この「スタッフからのひとこと」の
内容は、2005年05月当時の内容ですので、
今現在とは異なる内容もあります。
あらかじめ、ご承知置きください。

弊社「グリンデルワルト日本語観光案内所」スタッフからの、
「ひとこと」 メッセージです。

 スイスでは犬を連れた人をよく見かけます。
お店、乗り物、レストランの中。
これからの季節はハイキングコースを飼い主と一緒に歩いていたり、とにかくいつも飼い主と一緒に
行動します。
そんなペットというよりは我が子(?)と旅行する人も多いので、ホテルには犬の宿泊料が提示されていたり、
乗り物はほとんどが半額料金で立派なお客様です。
(6歳未満の子供は、一般的に乗り物は無料なことが殆どですので、もしかするとお犬様は別格?)

こちらの犬は人に襲い掛かったり、飛びついたりするなんてことはなく、
吠えたところを全くと言っていいほど見たことがありません。とにかくとっても行儀がいいのです。
これはスイス産の犬だから(?)というわけでもなく、こちらの人たちは犬を飼い始めると3週間ほど訓練所に
預けてきっちりと飼育することが多いのだそうです。
だからいつでも安心してご主人と一緒に行動ができるのです。


スイスの犬と言えば、コニャックの樽を首に下げた姿でお馴染みのセント・バーナード犬ですね。
ツェルマットのゴルナーグラードの展望台や、ユングフラウヨッホへ行く登山電車の乗り換え駅のクライネ・
シャイデック駅などで可愛いらしいその姿を見ることができます。


時代はさかのぼり、ローマ時代からスイスとイタリアの国境を越えるために多くの人に使われた峠が、現在は
グラン・サン・ベルナルド峠と呼ばれている峠です。
多くの旅人、商人、ローマに向かう巡礼者が往来したのですが、2400メートルの峠を越えるにしては、装備が
不十分だったり、悪天候に巻き込まれ遭難する者があとを絶たず、特に多かったのが貧しい巡礼者だったようです。
その状況に心を痛めたある僧が、何人かの修道士と一緒にそこに救護所を設けて旅人の救護に努めました。
後にその僧の名前をとってサン(聖)・ベルナルド峠と名付けられました。
ところで、人間だけでは遭難者の捜査に限りがあります。そこで修道士たちはピレネー山岳地帯の牧羊犬とニュー
ファンドランド産の寒さに強い犬とを掛け合わせ、特別の訓練を施し、山岳救助犬を育成することに成功しました。
イタリア語のサン・ベルナルドは英語読みに発音するとセント・バーナード。私たちにも馴染みのあるこの種の
犬の名称です。

そんなスイスの犬と日本人が関わった大きな出来事となったのは、1995年1月7日早朝に起こった阪神大地震
です。
地震発生の情報をいち早く得たスイスは、翌日にはスイスよりレスキュー隊と救助犬12頭を日本へ送っています。
山岳地帯の多いスイスで、遭難者の救助をしっかり飼育された救助犬の活躍で助けられた人も多かったのでは
ないでしょうか。

そんな意外と身近なところで関わりがあったことには、ちょっとビックリしました。
まぁーとにかくスイス国内ではたくさんの犬を見かけますが、スイス人と犬の間は昔も今も変わらず深い愛情で
結ばているのでしょうね。


犬好きの方はもちろん、犬が苦手な方も是非スイスの犬に会いに来てください!!
グリンデルワルト日本語観光案内所
森 美香

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